2015年3月26日木曜日

必修プログラム③、シンポジウム レポート


本事業の事務局として、全体の制作・運営スタッフを務めておりました、四国学院大学パフォーミング・アーツ研究所(SIPA)です。

31112日にサンポートホール高松第1小ホールにて韓国の人気劇団・演戯団コリペによる演劇作品「魚の帰郷」が上演されました。
http://www.notos-studio.com/contents/results/results/other/1110.html

最初は、言葉の壁もあり、ちゃんとコミュニケーションがとれるのか・・など不安でしたが、優しくコミュニケーションをとろうとしてくれている韓国の劇団の方々の雰囲気に、自然と緊張も解けて行きました。

今回は、エキストラ出演者を四国内から広く募集し、劇中のお祭りのシーンで香川に古くから伝わる踊りを一緒に踊る、という演出があったため
「モデルになっている香川県の漁師は、今でいうとどこの地域の漁師さんなのか?」
「その地域に昔から伝わる踊りはあるのか?」
ということを調査するため、その地域に足を運んだり、地元の方にお話しを聞いたりする事から始まりました。


その結果、地元に住んでいながら知らなかった郷土の歴史を知ることができました。
また伝統文化を一生懸命残そうと努力されている方にお会いし、残していくことの難しさ、大変さを少し垣間見ることができました。

劇場入り前の時間を使って、演戯団コリペの方々と、作品の舞台の1つである、さぬき市小田地区に行きました。事前に取材していた場所や、さぬき市の方のご厚意により小学校跡地や漁港などを皆で見る事ができ、更に劇団の方々にお茶でおもてなしをしながらさぬき市について色々と教えて下さいました。


たくさんの方に出会い、たくさんの方にお世話になったなぁ、と実感した公演でした。

集客の面でも、さぬき市の方をはじめ、エキストラ出演者の方々も広報を手伝って下さり、たくさんの方々のご協力で色々な年齢の方、観劇経験のない方が劇場まで足を運んでくれました。


私たちスタッフと地元の方々との「地域交流」、
そして劇団の方々と地元の方々との「国際交流」を、演劇を通じて行えたと思います。


また314日には、本事業約1年間の活動を集約し、広く公開する場・シンポジウムがサンポートホール高松の会議室で行われました。



事業の概要説明や参加人数等の報告、実践講座受講生4名による活動発表、ゲストを迎えてのディスカッションを行いました。



質疑応答の場面では、集まった市民の方から様々なご質問・ご意見をいただき、今後の演劇教育の役割についてや、四国の舞台芸術を担う人材の要素、育て方について、会場のみなさんと一緒に考える場となりました。



はじめてのことで、運営スタッフとして不慣れな点が多々あり、戸惑うことも多かったのですが、その分学んだことは多く、得た知識や実践で培った能力ををパフォーミング・アーツ研究所でも生かしていきたいと思います。

2015年2月6日金曜日

必修プログラム②参加レポート


受講生の宮武です。
私は、1月にノトススタジオで上演された「暗愚小傳」の広報と当日運営を担当しました。
演劇との出会いは、遡ること、高校生時代。インテリアデザイン科に在籍し、絵(二次元)・彫刻(三次元)作品を作る中、何か四次元・五次元的なモノが出来ないものかと思っていたところ、演劇部の友人からスケット依頼があり、絵や彫刻が突然歌って踊って喋りだすのも面白いのではないかと、1年目はキャストもやりましたが、2年目からはスタッフとして制作やプロデュース的な事を担当していました。
そんな中、数年前にたまたま四国学院大学の前を通ったところ「OL忠臣蔵」と「御前会議」の二本立てのポスターを見かけ、「また、田舎の大学の演劇サークルが平田オリザさんの作品を見つけてきて楽しんでいるのか」と思い、観に行ってみると・・・さにあらず平田さんの肝いりで、カリキュラムもしっかりした演劇コースで、学生達も気合い入ったものでした。
そこから何度か大学へ足を運んでいるところ、本講座の受講生募集のチラシをみつけ、応募した、という具合です。
 「暗愚小傳」に話を戻します。
広報活動として、ポスターとチラシを預かり、務め先であるホテルのフロント横に設置しました。貼るだけでは目立たないと思い、額に入れイーゼルに立ててみました。
また、チラシは多度津町内のギャラリーカフェ他、目新しいモノ好きの人が集まりそうな処を探して、配布しました。
ただ闇雲にチラシをばらまくのではなく、どうすれば目に留まるか、また客層なども考えて広報活動する必要があるな、と思いました。
公演の際はチケットもぎりを担当。
1名でやっていましたが、入場のスピードに間に合いませんでした。
受付時にお待ちのお客様が多い場合は、会場はじまってすぐのときだけでも2名体制にした方が良いのではないかと思いました。
作品は、高村光太郎と智恵子夫妻の生活を淡々描いたもので、道化役の怪しい日系二世なども登場して観客を飽きさせない工夫が随所に施されていました。
お客様が熱心にアンケートを書かれて帰っていく姿が印象的でした。

2015年1月9日金曜日

必修プログラム①参加レポート


受講生の佐藤です。
私は、12月にサンポートホール高松で上演された「サンタクロース会議」の広報と当日運営に参加しました。


当日は受付周りを担当。
両日ともに非常に風が強く、高速道路やJRの通行止めが心配される厳しい環境下での公演となりました。
しかしながら来ていただいたお客様には楽しんでいただき、特にお芝居に参加したこども達は貴重な体験になったのではないかと想像しております。


また、受付を担当するにあたり指導してくださった方から、広報活動の大変さについてお話を伺いました。

「サンタクロース会議」は演出上、未就学児から小学生のこどもたちの参加が不可欠です。
しかし既存のルートである、サンポート高松や四国学院大学からの今までの広報の仕方では、公演対象であるこどもたちとの直接のつながりというものが薄く、その家族にすら公演があるということを知ってもらうのがなかなか難しい。
そこで今回は学校の演劇部や地元のこども劇団、NPO法人などに直接広報活動を行ったとのことでした。
私も勤務先であるFMコミュニティ放送にて公演の告知をさせていただいたり、子ども番組の放送で知り合った小学生たちにチラシを配ったり、こども劇団を調べたりして、広報活動のお手伝いもさせていただきました。

当日もサンポートの各階に看板を立てるなど、ギリギリまで一人でも多くの人に来てもらうために工夫をこらしました。やれるだけのことをやるという気持ちが大切なのだと感じました。


今回スタッフとして参加して、「サンタクロース会議」は入場したときからお家に帰るまで、こどもたちが楽しめるよう細やかな配慮をされていることに驚きました。

まずこども専用のふりがなのついたパンフレットに、絵で選ぶアンケート。
会場で配られる公演の注意事項を優しく書いたプリントやおみやげ。
開演前のお手洗いの声掛けや、靴を脱ぎ履きするマットの配置等々。
はじめてお芝居をみる子でも取り組みやすく良い思い出となりそうなポイントがたくさんありました。

公演終了後、親子で今年のクリスマスやサンタさんの話をするお客様をお見送りして、私もとても幸せな気持ちになりました。

2014年11月27日木曜日

選択プログラム⑤参加レポート


四国学院大学演劇コースで制作を学んでいる太田久美子です。
選択プログラム⑤「隣にいても一人」の当日運営の為、愛媛県内子町にある“内子座”にはじめて行って来ました。


今回の上演で3度目となる「隣にいても一人」。
ノトススタジオで上演された初演時は私が高校3年生の時。
大学に入学する前に観た舞台なので、まさか自分自身が関わるなんて思っても居ませんでした。
 
そんな思い出がある「隣にいても一人」。
上演日当日には、会場の清掃や客席の準備、受付などを行ったのですが、その中でもチラシ配りが、私の中では一番の課題でした。
 
 
公演初日、ちょうど内子座近辺ではイベントが行われていました。
たくさん地元の方や観光客の方が訪れていたので、そこで公演チラシを配ろう、ということになったのですが、私は人見知りなこともあり、なかなか人に声をかけられず苦戦してしまいました。
そんな中、同じ大学の職員さんが配ったチラシを見て当日券を求めて来てくれた女子高校生が居ました。
 
何人興味を持ってくれるか分からないチラシ配り。
しかし、そうやって1人でも興味を持ってくれたお客さんが居ることを考えると、積極的に声をかけることは大事だし、「ただのチラシ配り」だという意識ではいけないな、と思いました。
 
また、受付の仕方にも戸惑ってしまいました。
受付場所が屋外に面していたのでとても寒かったり、土足厳禁のため靴袋の用意が必要だったり、客席が桝席のため、遅れて来たお客様への説明を事前にしておかなくてはいけなかったり・・・。
 
大学のスタジオで公演があるときにはよく受付を担当しているのですが、場所が違えば気をつけなければいけないことも違うんだな、ということを学びました。

今回学んだことは、今後の活動の課題にしていこうと思います!
 

2014年11月10日月曜日

選択プログラム④参加レポート

受講生の秦です。
普段は会社員をしながら、四国圏の演劇や舞台の宣伝を行う『カンゲキ☆あんない』(http://kangeki1ehime.blog.fc2.com/)の運営を行っています。

私は、選択講座④の
小豆島アーティストインレジデンス「あゆみ」に参加しました。



当日運営のお手伝いは別団体でもさせて頂いたことは何度かあるので、あまり困ったりしたことはありませんでしたが、同じく受付回り等、当日運営に入っていた小豆島役場の方や、公演に出演された小豆島の方々の楽しそうな姿が印象的でした。
また、楽しいだけでなく、出演者の方々はとても面白く、運営に関わった方々も、率先して動かれてるように感じました。

少しそれますが、
小豆島自体、初めて行ったため、合わせて観光もさせて頂きました。
美味しいものがあり、景観も綺麗で、生活も車があればスーパー等ある地域にもすぐいける。
また、文化的なものも、農村歌舞伎があったり、瀬戸内国際芸術祭等でアーティストが作ったものが残っていたり、映画の撮影が行われたことがキッカケで復活した地域行事の話を聞いたりと、芸術文化に力を入れてるのが最近だけの話ではなく、昔も現在も、身近にそういったものがあるんだと感じました。

小豆島観光後に、運営に入らせて頂いたので、観光中に感じた小豆島の環境と文化と、小豆島の方々の姿が重なって見えました。



今回参加して感じた小豆島の文化との身近さ、は
自分たちの街の歴史や文化と比べて特別なものかと考えると、決してそうではないと思うので、短い間でしたが小豆島の経験を元に、自分の街の文化活動への興味と、発展についてこれから考えることが出来たらと思います。

小豆島、良いところでした。また行きます。
ありがとうございました!

 

2014年9月28日日曜日

選択プログラム③参加レポート

アートマネジメント実践講座受講生の善通寺第一高校2年杉原です。

8月末、高知県立美術館ホールで行われたワークショップにアシスタントとして参加しました。


自分も高校生で、演劇部に所属しているということもあり、演劇のワークショップを受けることは多々あったのですが、アシスタントとして参加するのは初めてでした。


アシスタントという立場もあり、周りを見て動いた3日間でした。
普段は自分のことで精一杯なことが多々あるので出来るか不安でしたがなんとかやり抜けました。
また、高知の高校生とも同年代ということもあり仲良くなることができました。
すごくフレンドリーで自分の意見をしっかり持った人が多かったのに驚きました。
同じ四国といえど香川で私が参加したワークショップとはまた違う雰囲気でした。
アシスタントとして参加したのですがとても楽しむことができました。
ただワークショップを受ける側として参加するのではなく、アシスタントという立場で一緒に参加して作って、いつもと違う感覚で楽しかったです

またお世話になった方々へ感謝の気持ちでいっぱいです。

あまり仕事はできなかったかもしれませんが、また機会があれば同じような形で参加したいと思います。

3日間ありがとうございました!

2014年8月31日日曜日

選択プログラム②参加レポート

 
受講生の横山です。図書館で絵本の読み聞かせのボランティアをしています。
 
私が参加したのは、選択プログラム②
子供向けダンスと演劇のワークショップ
「動きのなかで学ぶこと」「自由にいっしょに創る喜び」です。
 
これは、6日間にわたりクリエイティブ・ダンスやシアター・インプロ(即興演劇)を経験するもので、4日間は四国学院大学のダンススタジオにて。残り2日は丸亀市猪熊弦一郎現代美術館のミュージアムホールにて。最終日には、一般の方向けに成果発表会(ショーイング)を行いました。

私は四国学院大学の学生さんと一緒にアシスタントを務めました。
午前はダンス、午後はインプロ。私は午後からの参加でした。
お昼休憩の時間に合流し、子どもたちや午前からのアシスタントの方と一緒に弁当を食べ、昼から一緒に体を動かしました。


 
ワークショップの中では、色々なゲームをしました。
多くの人数でするものには難しさもあります。ゲームは、体だけでなく頭も使います。工夫や協力をしてうまくいくと、より嬉しいものです。時には悔しいこともあり、色々な気持ちが入り混じりますが、これは一人では体験できないことです。子どもにとっては意味のあるものだと思いました。


そんな体験の中、子どもたちは即興演劇をしました。
即興というと難しそうですが、意外と楽しいものでした。
確かに、劇として面白く進めていくにはコツが必要です。けれど基本的には自由な発想で良く、どんなものでも周りの人は受け止めて、つないでいきました。怖がらず自由に表現していいのだと思える場や雰囲気が、何より楽しく感じました。
 
子どもの発想には思いもよらないものがあります。いろいろな違いもあります。自分だけでは気付けない、それぞれの良さに気付くことは、自分の世界を広げてくれると思いました。
 
 
そんなふうに皆で出し合ったものや、それまでワークショップでやってきたことをもとに、発表をすることになりました。
 
ひとつのものを創り上げるには、力を合わせ助け合うことが必要になってきます。最初は、どうすればよいか分からなかったことにも、だんだん気付いていきました。それでも、すぐに上手くはいかないものですが、数日かけて取り組むうちに変化はありました。
講師の先生はそれを取りあげ、どういうところが良かったのか皆に伝えていました。
その子自身も他の子も、そのことの意味を知り、また次への意欲につながっていくのではないかと思いました。

発表の場では、更に子どもたちの成長が見られたと思います。人に見てもらうためには、
より集中しなければなりません。伝えようとする気持ちにも、更にエネルギーが必要に
なります。そうして皆で一緒に頑張れたことは、ひとつの自信になったのではないでしょうか。


 
 
即興演劇の基本精神は「自由と協調」だと先生が言われていましたが、それは子どもが成長していく上でとても大切なことだと思いました。アシスタントとしてそれを目指して皆さんと一緒に取り組めたことは、自分自身にとっても大きな意味がありました。
 
今回、アシスタントとしての参加は初めてで、子どもたちとも初対面でした。
初めてご一緒する方たちに混じって、動けるのか不安に思うこともありました。けれど、知らない同士でも一緒に色々なことに取り組めて良かったです。

参加の子どもは、小学生の低学年から高学年と幅も広く、接し方に迷うこともありました。しかし、打ち合わせの中で考え方など話を聞くうちに、共通理解できていったように思います。
対象が大人なら問題なく進むことでも、子どもならではの性質のため、難しいこともあります。考え方が分かったとしても応え方はひとつではなく、うまくいくかどうかは 結局やってみなければわかりません。おそらく、一人一人に応じた関わり方もあるのだと思います。あれがダメなら これならどうかと考え、やってみること。その繰り返しの中で分かることもあるのだと思いました。

私自身、3人の子育ての真っ最中です。
普段の子育てと重ねて考えさせられることも多くありました。
だめだと分かりつつも繰り返してしまうことを変えるには、それなりの工夫や挑戦が必要なのだと思いました。今回のアシスタントを通して、そんな日常に向き合う意欲を持つことができたのは、自分自身のささやかな成果かもしれません。